ミニバン選びの中でも人気が高いセレナ。
しかしネット上では「ひどい」「後悔した」という強めの言葉も目に入り、不安を抱えたまま検討している方も多いのではないでしょうか。
実際、セレナは室内空間の広さやE-POWERの快適さが評価される一方で、デメリットや弱点が語られやすいモデルでもあります。
それは決して“悪い車だから”ではなく、使い方や期待値によって感じ方が大きく変わるからだといえます。
この記事では、セレナが「ひどい」と言われる理由を、口コミだけでなく実際の乗車経験や他車との比較を踏まえて丁寧に整理しました。
価格とのバランス、走りのクセ、E-POWER特有の特徴、そして過去世代の故障イメージなど、購入前に知っておくべきポイントをできる限りわかりやすく解説していきます。
また、筆者自身がスポーツカー乗りという視点から感じた“ミニバン特有の違和感”も包み隠さず触れました。
個人的な感覚ではありますが、読者の判断材料として役立つはずです。
「結局セレナはひどいのか?」「後悔しない選び方はあるのか?」
その問いに対して、冷静で客観的な視点と、正直な本音の両方で答えていきます。
この記事を読み終える頃には、セレナが自分のライフスタイルに合うのかどうか、はっきり見えてくるのではないでしょうか。
セレナは本当にひどい? デメリット・弱点を冷静に整理
セレナが「ひどい」と語られる背景には、実際の使い勝手や走りに対する期待値のズレがあります。室内空間の広さは魅力的ですが、価格や乗り心地にギャップを感じる人もいるようです。
ここでは口コミや乗車経験から見えた弱点を、できるだけ客観的に整理していきます。
価格・装備・コスパのズレ|「安い」とは感じにくい理由

競合と同価格帯でも“お得感が薄い”と感じやすい構造
セレナは「安いミニバン」というイメージを持たれがちですが、実際の価格帯はノア/ヴォクシーやステップワゴンと大きく変わりません。
特にE-POWER搭載グレードは350万円前後からとなり、決して手頃とはいえない価格設定です。
このギャップが、「ひどい」「デメリットが多い」といった不満につながりやすい印象があります。
比較すると分かりやすいため、代表的グレードの“ざっくり価格感”を並べてみました。
| 車種 | 主力グレードの相場感 | 印象 |
|---|---|---|
| セレナ(E-POWER) | 340〜380万円台 | 価格に対する装備の質で賛否 |
| ノア/ヴォクシー | 330〜380万円台 | 内装の質で“満足度が高い”声が多い |
| ステップワゴン | 320〜380万円台 | 走りと質感のバランスが強み |
同価格帯でも、内装の高級感や走りの上質さで差を感じやすく、それが“セレナは安くないのに期待ほどではない”という受け取りにつながりやすいといえます。
装備の標準化が遅れ、コスパで後悔するケースも
もう一つの“安さを感じにくい理由”は、装備面の印象ですね。
セレナは実用性重視の設計ですが、競合が標準化している装備がオプション扱いになっているケースもあり、ここでコスパの差が出ます。
特に指摘されやすいポイントは次のとおりです。
- シートヒーターがグレードによっては非標準
- 内装デザインが価格のわりに“地味”と感じる声
- 高速走行時の静粛性が期待より低い場面がある
- 価格上昇に対して質感の伸びが追いついていない
こうした点が積み重なると、「同じ予算ならもっと満足度の高い選択肢があるのでは?」という考えになりやすく、購入後に後悔する原因になりがちです。
総じて、セレナは“安いミニバン”ではなく、“実用性に特化した平均的な価格帯のミニバン”と理解したうえで選ぶことが大切だといえるでしょう。
走りと快適性の弱点|E-POWERの長所と割り切り

街乗りでは優秀 ― 低速の静粛性と乗り心地
日産 セレナ の「e-POWER」搭載モデルは、モーター駆動ならではの静かさと滑らかな出だしで、「ミニバンらしからぬ快適さ」を感じさせてくれます。
実際、ある試乗記では「e-POWERならではの静粛性」「エンジン音がほとんどせず、快適な車内空間」と評価されています。サコダ+2モーターファン+2
また街乗り・近距離の利用では、燃費性能のメリットも報告されており、日常的な使い勝手は総じて高評価。みんカラ+2古城モータース|軽自動車なら富山石川最大級800台在庫+2
「街乗りなら快適。乗りやすくいい車」 — ユーザーの口コミより。みんカラ
ただしあくまで「街乗り重視」「静かさ重視」「急加速や高速巡航をあまりしない人」にとっての“強み”。
高速・長距離では割り切りが必要 ― 音・燃費・乗り味の弱点
一方で、e-POWERの弱点としてよく挙げられるのが「高速走行での燃費と走りの伸びの悪さ」です。
ある検証では「高速道路を時速120kmで走り続けると、並みのガソリン車より燃費が悪くなる」という厳しい結果も報告されました。新車・中古車の自動車総合情報サイト〖carview!〗+1
また、広いボディサイズと重量のため、ミニバン特有の“ロール(車体の傾き)”や“動きの重さ”を感じる声も少なくありません。
海外のレビューの中には「カーブ時に車が外へ投げ出されるような挙動を感じた」との指摘も。Sgcarmart.com+2新車・中古車の自動車総合情報サイト〖carview!〗+2
さらに、“高級ミニバン的な滑らかさ・静かさ”を求める人にとっては、ロードノイズや風切り音、加速時のモーター+発電エンジンの切り替わりによる音の入りが気になることもあるようです。最新自動車情報+2
壊れやすい?寿命は?|故障リスクと過去世代の実情

C27世代で語られた“壊れやすいところ”と故障イメージ
セレナが「壊れやすい」「故障が不安」と言われる背景には、先代C27世代での電装系トラブルの多さが影響しています。
エアコン作動不良、スライドドアのモーター不調、アイドリングストップ関連のエラーなど、実際の口コミでは同じ領域のトラブルが複数報告されており、“弱点”として語り継がれる形になりました。
特にミニバンは電子制御部分が多く、1カ所の不具合が体感的に「壊れやすい車」という印象を強めやすいのも事実です。
さらに日産全体のブランドイメージ(過去の品質不安)も重なり、「売れない理由」として語られる場面もありました。
頻度が高かったと言われる項目を整理すると以下のとおりです。
- スライドドアの開閉不良
- エアコンの風量/温度制御の不具合
- センサー誤作動(衝突回避・バックソナーなど)
- バッテリー上がり関連の警告
もちろんすべての個体に起きたわけではありませんが、“ネットの印象” は強く残ったのは事実でしょう。
C28で改善傾向。ただし“ミニバン特有の寿命の短さ”は避けられない
現行C28では構造や制御が見直され、不具合の声は明確に減っています。
とはいえ「先代の記憶」が残っているため、購入検討者の中には不安を抱く人も少なくありません。これはセレナが悪いというより、日産の長期的な信頼イメージがトヨタほど強くないことが影響しています。
また、壊れやすさや寿命の体感には「ミニバンという車種特性」も関わります。
重く大きい車体を支えるため、どうしても次の部品は寿命が短めになる傾向です。
- タイヤ:摩耗が早い(特に前輪)
- ブレーキ:重量の影響で減りやすい
- サスペンション:乗車人数が多い家庭ほど負担大
これらはセレナ固有の欠点ではなく、ミニバン全般に共通する“消耗しやすいところ”です。
そんなひどさもあるセレナを選ぶべき?デメリットを踏まえ筆者の見解
ここまで見てきたように、セレナには確かに「ひどい」と言われがちなデメリットがあります。
ただし、それらを理解したうえでも選ぶ価値があるかどうかは、人によって結論が分かれるところ。ここからは、所有歴はないものの実際の乗車経験や車好きの視点を踏まえ、筆者なりの見解を整理しました。
後悔しやすい人・満足しやすい人の分岐点

高級感や走りを重視すると、デメリットが目につき後悔しやすい
セレナで後悔しやすいのは、「ミニバンでも高級感がほしい」「走りの良さも妥協したくない」と考える人です。
価格帯は決して安くないため、内装の質感や走行フィールに対する期待値が高くなりがちですが、その分ギャップを感じやすい傾向があります。
特に次のような価値観を持つ人は、デメリットが強く意識されやすいでしょう。
- スポーティな加速や安定感を重視
- 高速道路での静粛性を最優先
- 内装の高級感・所有満足度を求めたい
- 「この価格ならもっと上を期待したい」と感じやすい
この層にとっては、セレナは「悪くはないが、決め手に欠ける」という印象になりやすく、結果として後悔につながりやすいかもしれません。
街乗り・家族用途が中心なら満足度は高く、評価は一転する
一方で、使い方がハマるとセレナの評価は真逆になります。
街乗りや送迎、買い物といった日常使いが中心の家庭では、E-POWERの扱いやすさや車内の静かさが大きな強みになります。
満足度が高くなりやすいのは、次のような使い方です。
- 低速域メインでの移動が多い
- 家族の乗り降りや室内空間を重視
- 走りよりも実用性・快適性を優先
- ミニバンに「楽しさ」より「便利さ」を求める
このように、セレナは使い方次第で評価が真逆に変わる車です。
デメリットを欠点と捉えるか、割り切れるポイントと考えるかで、満足度は大きく分かれるでしょう。
筆者の本音:日産への不安と“ミニバンというジャンル”への違和感

※ここからは筆者個人の価値観・経験に基づく主観的な見解です
日産に感じる安心感の差 ― 魅力的な車ほど「スポーツの記憶」が強すぎる
まず正直に言うと、筆者は日産というメーカーにネガティブな感情を持っているわけではありません。
むしろその逆で、日産には今でも魅力的な車が多いと感じています。
しかし具体的に思い浮かぶのは、
フェアレディZ、スカイライン、GT-R、そして1990年代~日産スポーツカー群です。
これらは「走り」「個性」「男心をくすぐる存在感」を強く印象付けてきました。
そのため、筆者の中では今もなお、
- 日産=スポーツカーのメーカー
- 走りやキャラクターが尖っていたブランド
- 熱量のあるファンが多い存在
というイメージが根深く残っています。
だからこそ逆説的に、ファミリー向けミニバンとしての“安心感”を評価するとき、どうしてもトヨタやホンダと比較してしまうのが本音です。
ここで感じる差は「性能」ではなく「心理的な安心感」に近いものです。
- 長期保有を前提にした無難さ
- 故障リスクへの漠然とした不安
- トラブル時の対応を含めた総合的な信頼感
この点では、トヨタ・ホンダのほうが一歩リードしているように感じます。
セレナそのものが悪いわけではありませんが、メーカーイメージが選択に影響することは、現実として無視できない要素でしょう。
スポーツカー乗りの視点では、ミニバンという存在自体に割り切れない部分がある
次に、筆者自身の車観について触れておきます。
筆者はこれまで、走りや運転感覚を重視する車を好んできたタイプです。
その視点で見ると、セレナに限らず「ミニバン」というジャンルそのものに、どうしても割り切れない点があるのも事実。
それは以下のような部分です。
- 車体が重く、動きが鈍く感じやすい
- 重心が高く、ロールが大きい
- ハンドリングや一体感よりも、快適性優先の設計
もちろんこれらはミニバンとして正しい設計であり、大人数を快適に安全に運ぶという目的を考えれば理にかなっています。
ただし、
「運転する楽しさ」
「車を操る感覚」
を求める人にとっては、どうしても物足りなさが残る。
価格帯を考えると、
「この金額を出すなら、走りの満足感も欲しい」
と感じてしまうのがスポーツカー寄りの価値観です。
その結果、セレナのデメリット(走行性能・安定感・運転の楽しさ)が、より強調されて見えてしまう。
しかしこれは車の欠点というより、筆者側の価値観による相性の問題と言えるかもしれません。
大人数=ミニバン一択ではない?SUVという選択肢を勧めたい理由
さらに踏み込むと、筆者は「大人数=ミニバンが正解」という考え方にも疑問を持っています。
確かにセレナのようなミニバンには、明確な強みがあります。
- スライドドアで乗り降りが楽
- 3列目までしっかり使える
- 室内の自由度が高い
一方で、SUVと比較した場合の違いも無視できません。
私の見解では、
| 観点 | ミニバン | SUV |
|---|---|---|
| 乗り降りのしやすさ | ◎ | ○ |
| 室内空間の自由度 | ◎ | △ |
| 走りの安定感 | △ | ○ |
| 運転の楽しさ | △ | ○ |
| デザイン満足度 | △〜○ | ○ |
実際には、
- 子どもが常に3列目を使うわけではない
- スライドドアが必須ではない
- 運転の快適さや視界も重視したい
こういった家庭も多いはずです。
その場合、SUVのほうがトータルで満足度が高いケースも十分あり得ると感じます。
「家族がいる=ミニバン一択」と決めつけてしまうと、選択肢を狭めてしまうかもしれません。
簡単にまとめると、
- 日産は魅力的な車を多く持つが、筆者の中では“スポーツブランド”の印象が強い
- その結果、ファミリー向けミニバンとしての安心感は慎重に見てしまう
- スポーツカー寄りの価値観では、ミニバン全般に割り切りが必要
- 大人数用途でも、SUVという選択肢を含めて再検討する価値はある
セレナは「ひどい車」ではありません。
ただし、どんな価値観を持つ人が選ぶかで評価が大きく変わる車だと、改めて感じています。
総合比較の結論|セレナ・ヴォクシー・ステップワゴンの選び方

3車の強みと弱みを整理 ― “売れない理由”は相性の問題が大きい
ミニバン選びで迷いやすいのは、各車の個性がはっきり分かれている一方で「どれも大きな弱点がない」点にあるでしょう。
それぞれの特徴を整理すると、後悔しにくい選び方が見えてきます。
▼ セレナ
- 強み:低速の静粛性、E-POWERの扱いやすい加速、室内の快適さ
- 弱み:高速域での伸びと音、価格に見合う高級感の不足
- 向く人:街乗り中心/移動の楽さを重視する家庭
- “売れない理由”の一部:期待値と実際の高級感・走りのギャップ
▼ ヴォクシー
- 強み:総合バランス、静粛性と質感、万人向けのエクステリア
- 弱み:価格はやや高め
- 向く人:大きな欠点のない“一台で万能”を求める家庭
▼ ステップワゴン
- 強み:視界の良さ、走りの安定感、歴代の信頼性
- 弱み:派手さは控えめで好みが割れる
- 向く人:運転のしやすさや長距離の快適性を重視
これを見ると、「セレナがひどい」というより、相性が合わない人が一定数いるという構図が近いと言えます。
筆者の結論 ― ミニバンを選ぶなら“ヴォクシー推し”という立場
ここからはまた筆者の主観です。
走りや感性を重視して車を選んできた立場としては、
セレナの特徴そのものより、ミニバンというジャンルと自分の価値観の相性がどうしても合わないところがあります。
その前提で比較した場合、
ミニバンを選ぶならヴォクシーが最も“後悔しにくい”という結論になります。
理由は次のとおりです。
- 走り・静粛性・内装など、総合的にバランスが良い
- 価格に対する満足感が得やすい
- エクステリアの完成度が高く、所有満足度につながる
- トヨタの「長期的安心感」がミニバン用途と相性が良い
セレナのE-POWERは街乗りでは最高レベルの快適さですが、
筆者の価値観では
「総合点の高さ → ヴォクシー」
「運転のしやすさ → ステップワゴン」
という整理になりました。
セレナのひどさとデメリット まとめ
✅ 記事のポイント
- セレナが「ひどい」と言われる理由は、価格と装備・質感のギャップにある
- 「安いミニバン」というイメージで選ぶと、期待とのズレで後悔しやすい
- E-POWERは街乗りでは静かで快適だが、高速走行では音や伸びに不満が出やすい
- C27世代の電装系トラブルの印象から、壊れやすい・寿命が不安という声が残っている
- 現行C28では改善傾向にあるが、ミニバン特有の消耗(タイヤ・ブレーキ)は避けられない
- 高級感や走りを重視する人ほど、デメリットが目につきやすい車
- 一方で、街乗り中心・家族用途では満足度が高く評価が真逆になる
- 筆者の価値観では、ミニバンを選ぶならヴォクシーの総合バランスが最も無難と感じた
セレナは決して「ひどい車」ではありません。ただし、
期待値と使い方が噛み合わないと、評価が一気に下がりやすいミニバンであることは確かです。
E-POWERの快適さや室内の使いやすさを理解し、デメリットを割り切れる人にとっては良い選択肢になります。
一方で、走りや高級感、長期的な安心感を重視する人は、他車も含めて冷静に比較したほうが後悔しにくいでしょう。
現代の車において「ひどい」という評価の裏側には、はやり価値観の違いがあります。
だからこそ、自分が何を重視するのかを整理した上で選ぶことが、最も大切だといえます。
