「ロードスターは狭い」とよく聞くものの、実際にどの程度なのか、はっきりとイメージできていない人は多いのではないでしょうか。
購入を検討している段階では、身長が合うのか、長時間運転で疲れないのか、荷物はどれくらい積めるのかなど、不安が次々に浮かびます。
検索しても「狭い」「後悔した」といった断片的な意見が多く、判断に迷うのが正直なところです。
結論から言えば、ロードスターは当然のこと広い車ではありません。
ただし、その狭さが必ずしも欠点になるとは限らず、むしろ魅力として作用するケースもあります。体格や用途、価値観が合っていれば「こんなに楽しい車はない」と感じる一方、合わない人が選ぶと後悔につながりやすいのも事実です。
本記事では「ロードスターはどれくらい狭いのか」という基本から、想定身長の目安、デメリットと感じやすいポイント、ND・NCなど世代ごとの差まで整理します。
また、荷物の積載性や趣味(釣りなど)との相性にも触れながら、どんな人なら満足できるのか、どんな人は避けたほうがいいのかを明確にしていきます。
読み終える頃には、ロードスターが自分に合う車かどうか、自然と答えが見えてくるはずです。
ロードスターは本当に“狭い”?寸法・体感・世代差から徹底解説
ロードスターは「狭い車」というイメージが先行しがちですが、その評価はどこから来ているのでしょうか。
室内寸法やボディサイズといった数値の話だけでなく、実際に座ったときの体感や世代ごとの違いによって印象は大きく変わります。
まずはロードスターの“狭さ”を客観的に整理し、どこが窮屈に感じやすいのかを確認していきましょう。
ロードスターが「狭い」と言われる理由

数値以上に“窮屈”と感じやすい理由は室内レイアウトにある
ロードスターが狭いと感じられる最大の理由は、単純なボディサイズよりも室内レイアウトにあります。
全幅そのものは極端に小さいわけではありませんが、ドライバーと助手席の距離が近く、肩や肘が自然と触れやすい設計です。
センターコンソールも身体のすぐ横にあり、「包まれる感覚」が強く出ますね。
さらにロードスターは着座位置が低く、シートに深く沈み込む姿勢に。
この構造により視点が下がり、ルーフまでの距離も近くなるため、数値以上に圧迫感を覚えやすいのが特徴です。
体感的に狭く感じやすいポイント
- 肩・肘周りの余白が少ない
- シート間隔がタイト
- 着座位置が低く視点が下がる
膝・足元・圧迫感が“デメリット”として語られる背景
膝周りや足元も、ロードスターの狭さを印象づける要素です。
ペダル位置はスポーツ走行を前提に設計されており、足を伸ばせる余裕は多くありません。
特に身長が高めの人ほど、膝が内装に近づきやすくなります。
また、狭さは「実用性」と結びついて語られがちです。2人乗りで荷物も多く載らないため、「不便=デメリット」という評価につながりやすいのが実情でしょう。
ただしこれは欠陥というより、ロードスターという車の思想そのものともいえます。
| 項目 | 一般的評価 |
|---|---|
| 室内幅 | 肩・肘が近く窮屈 |
| 着座姿勢 | 低く圧迫感あり |
| 足元 | 余裕は少なめ |
| 実用性 | デメリット扱いされやすい |
ロードスターの「狭い」という評価は、快適性重視の基準で見た結果ともいえそうです。
身長と後悔ライン|ロードスターに向く体格・向かない体格

身長別に見る“快適ライン”と注意点
ロードスターの狭さは、身長によって感じ方が大きく変わります。
結論から言えば、170〜175cm前後が最もストレスを感じにくいゾーンですね。
一方で、身長が高くなるにつれて、ポジション調整や割り切りが必要になるかもしれません。
| 身長目安 | 体感・注意点 |
|---|---|
| 170〜175cm | 自然な姿勢。最適ゾーン |
| 175〜180cm | シート・ハンドル調整必須 |
| 180cm超 | 視界・膝周りがシビア |
175〜180cmでは乗れないわけではありませんが、シートを下げる・背もたれを立てるなど細かな調整が前提になります。
180cmを超えると、膝の逃げやルーフとの距離が近くなり、長時間では疲れやすいと感じる人が増えるのも事実です。
後悔しやすいのは“体格×用途”が合っていないケース
ロードスターは2人乗り専用のため、「何人乗り?」と聞かれた時点で割り切りが必要な車です。
問題は人数よりも荷物との兼ね合いでしょう。
身長が高くシートを後ろに下げるほど、トランクや室内の使い勝手はさらに制限されます。
狭さで後悔しやすいパターン
- 体格が大きく、日常使いがメイン
- 同乗者の快適性を重視したい
- 荷物が多い趣味や旅行用途が中心
逆に、身長や用途を理解したうえで選ぶ人にとって、狭さは大きな問題になりません。
後悔の分かれ目は、車そのものではなく使い方との相性にあるといえそうです。
ND・NC・昔のロードスターで“狭さ”はどう変わってきたか

世代ごとに異なる「狭さ」とドライバーとの距離感
ロードスターは世代ごとに進化していますが、「狭い」という評価が消えたことはありません。
むしろ各世代で狭さの質が変わってきたといえます。
現行NDは最もタイトな室内設計で、ドライバーと車が一体になる感覚を強くします。
NCはボディ拡大により室内に余裕が生まれましたが、その結果「ロードスターらしさが薄れた」と感じる層も出ました。
一方、初代NAやNBは当時としては軽快でしたが、現代基準で見るとかなりタイトです。
| 世代 | 狭さの特徴 |
|---|---|
| ND | 最もタイト・一体感重視 |
| NC | 広めだが性格が中途半端 |
| NA/NB | 軽いが現代では窮屈 |
狭さと運動性能が結びつく“ロードスターの哲学”
ロードスターが昔から狭い理由は明確です。軽量・コンパクトなボディが、素直で気持ちいい走りを生むからです。
広さを優先すれば重量増加や剛性確保が必要になり、ロードスター本来の魅力が薄れるでしょう。
世代を通じて変わらない考え方
- 狭さより運転の楽しさを優先
- ドライバー中心のレイアウト
- 軽さと運動性能を最重視
ロードスターの“狭さ”を楽しむ方法と、釣りなど趣味との相性
ロードスターの狭さは、見方を変えれば走りの楽しさや一体感につながる要素でもあります。
ただし、使い方や趣味によっては不便に感じる場面が出てくるのも事実でしょう。
ここでは、狭さがどのように魅力として働くのかを整理しつつ、荷物が多い場面や釣りなどの趣味とどこまで両立できるのか、現実的な視点から解説していきます。
狭さは欠点?それとも魅力?

「狭い=コンパクト」が軽快さにつながる理由
ロードスターの狭さは、走りの面では明確なメリットとして働きます。
室内やボディをコンパクトにまとめることで車重を抑えられ、その結果、加速・減速・旋回すべてが軽快に。
いわゆる直線の速さよりも、運転操作に対する反応の良さが際立つのが特徴です。
狭さが生む走行面の利点
- 軽量ボディによる俊敏な動き
- ハンドル操作への即応性
- 小さな入力でも姿勢が変わる感覚
このサイズ感だからこそ、一般道の速度域でも「運転が楽しい」と感じやすくなります。
乗り心地は快適さより“情報量重視”のセッティング
ロードスターの足回りは、路面状況をドライバーに伝えることを重視しました。
そのため、ふわふわとした快適性ではなく、タイヤやサスペンションの動きが手に取るように分かる乗り心地です。
ここで狭い室内がプラスに作用し、振動や挙動がダイレクトに伝わります。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 走り | 軽快・反応が速い |
| 足回り | 情報量が多い |
| 乗り心地 | 快適性より操作感重視 |
狭さは快適性を犠牲にする要素でもありますが、その代わりにスポーツカーとしての濃い体験を提供します。
ロードスターの魅力は、この割り切りにこそあるといえるでしょう。
荷物が積めない問題|実用性と積載の“現実ライン”

トランク容量は十分?入る荷物・入らない荷物を整理
ロードスターが「狭い」と言われる理由のひとつが、積載量の少なさでしょう。
トランクは形状が浅く横に広いため、見た目以上に制約があります。
小型スーツケースや買い物袋は問題ありませんが、大きさや形によっては想像以上に入らないケースもあります。
トランクに入るもの
- 小〜中型ソフトバッグ
- デイパック数個
- 日常の買い物袋
入りにくいもの
- 大型スーツケース
- 高さのある箱物
- 長尺の荷物
| 項目 | 現実的な評価 |
|---|---|
| 容量 | 必要最低限 |
| 形状 | 高さに弱い |
| 実用性 | 用途限定 |
旅行や日常利用で必要になる“割り切り”とは
日帰りドライブであればほとんど困りませんが、一泊旅行になると工夫が必要です。
衣類は圧縮袋を使い、バッグはソフトタイプを選ぶなど、積み方次第で対応できる範囲が変わります。
また助手席スペースを活用することで、積載に余裕を持たせることも多少は可能です。
狭い車と付き合うための割り切りポイント
- 荷物は最小限にまとめる
- ハードケースを避ける
- 日常と旅行を明確に分けて使う
ロードスターは万能な実用車ではありませんが、使い方を理解すれば致命的な欠点にもなりません。実用性を求めすぎない姿勢が、満足度を高めるコツといえるでしょう。
ロードスターで釣りは可能?

ロッド・クーラーボックスは積めるのか?室内寸法の現実
結論から言えば、ロードスターで釣りに行くことは可能ですが、かなり制限付きです。
最大の壁になるのがロッドの長さでしょう。
一般的なロッドは分割できるとはいえ、仕舞寸法が長いものも多く、室内にそのまま収めるのは簡単ではありません。
特にND世代は室内がタイトなため、ロッドは助手席側に斜めに寝かせる形が基本となります。
トランクは高さに余裕がなく、ロッドケースを入れるのは難しいケースがほとんどです。
釣り道具の積載可否イメージ
| 道具 | 積載の現実 |
|---|---|
| 分割ロッド | 助手席に可 |
| ワンピースロッド | ほぼ不可 |
| 小型クーラーボックス | トランク可 |
| 大型クーラー | 不可 |
タックルボックスについても、大型タイプは厳しく、コンパクトなものに絞る必要があります。
結果として、道具を厳選できるかどうかが、ロードスター釣行の可否を分けるポイントになるでしょう。
汚れ・水濡れ対策と“どうしても行きたい人”向けの工夫
釣りで避けられないのが、水濡れや汚れ問題。
ロードスターは内装がドライバーに近く、汚れが付くと精神的ダメージも大きくなります。
そのため事前対策は必須です。
最低限やっておきたい対策
- ビニールシートをシート・助手席床に敷く
- ロッドは布やタオルで包む
- 使用後はすぐに拭き取る
また、「どうしてもロードスターで釣りに行きたい」人向けには、割り切りも重要です。
釣行回数が多い場合や装備が増えがちな人には正直向きません。
一方で、軽装備・短時間・近場限定であれば成立します。
ロードスター釣行が向く人
- ロッド本数は最小限
- 小型クーラーボックスで済む
- 車内の汚れを許容できる
- 釣りも“ドライブの一部”として楽しめる
釣りは、ロードスターの狭さが最も分かりやすく表れる用途のひとつです。
ロッドの長さや荷物量、汚れ対策を考えることで、この車がどのような使い方に向いているのかが具体的に見えてきます。
狭さを欠点と決めつけるのではなく、自分の趣味やライフスタイルと合うかどうかを判断する材料として捉えることが重要でしょう。
ロードスターの狭さで後悔しない人・後悔する人

狭さを楽しめる人の特徴とは
ロードスターの狭さは、全員にとっての欠点ではありません。
むしろ、価値観が合う人にとっては大きな魅力になります。
運転そのものを楽しみたい人ほど、車と身体の距離が近いことをプラスに感じやすい傾向があります。
後悔しにくい人の特徴
- ドライブや走りを趣味として楽しみたい
- 車に「広さ」より「一体感」を求める
- 荷物は最小限でも問題ない
- 用途が明確(週末・気分転換・趣味用)
狭さを理解したうえで選んでいれば、「思っていたより楽しい」と感じるケースが多いのが特徴です。
不向きな人の傾向とNDの適性判断
一方で、ロードスターが合わず後悔しやすいのは、実用性を強く求める人です。
体格が大きい場合や、荷物を多く積む用途が中心だと、不満が蓄積しやすくなります。
| 判断ポイント | 合う人 | 合わない人 |
|---|---|---|
| 体格 | 標準〜やや細身 | 高身長・大柄 |
| 用途 | 趣味・ドライブ | 日常メイン |
| 積載量 | 最小限でOK | 荷物が多い |
| 重視点 | スポーツ性 | 快適・実用性 |
特に現行モデルのNDは、歴代でもタイトな設計です。
その分、スポーツ性は高まっていますが、広さを期待するとミスマッチになるかもしれません。
趣味性や運転の楽しさを優先できるかどうかが、NDを選ぶべきか避けるべきかの分岐点といえるでしょう。
ロードスター狭さの深掘り まとめ
この記事のポイント
- ロードスターは数値以上に室内レイアウトと着座位置で「狭く感じやすい」
- 想定身長は170〜175cm前後が最適ゾーンで、高身長ほど割り切りが必要
- NDは現行モデルで、歴代の中でも特にタイトだがスポーツ性が高い
- 狭さは走り・足回りの一体感や情報量の多さにつながっている
- 荷物は最小限が前提で、実用性より用途の明確さが満足度を左右する
- 釣りのような趣味は、ロードスターの狭さと性格を見極める判断材料として分かりやすい
- 後悔するかどうかは車の欠点ではなく、価値観と使い方の相性で決まる
ロードスターが「狭い」と言われるのは事実ですが、それは欠陥というより、走る楽しさを最優先してきた結果といえます。
広さや実用性を求める車ではない一方で、運転そのものを味わいたい人にとっては、この狭さこそが魅力になります。
身長や用途、趣味との相性を冷静に整理したうえで選べば、ロードスターは後悔よりも満足感のほうが大きい車ではないでしょうか。
参考リンク
