復活を果たした新型プレリュードは、発表直後から「高いのでは?」という声がSNSでも多く見られ、購入を検討している人ほど価格面の判断に迷いやすいモデルですね。
とはいえ、価格だけではその価値を測りきれないのも事実で、先代から20年以上の時間を経て大きく進化した背景を知ることで、見え方がずいぶん変わってきます。
とくに、購入条件や維持費の現実を整理しながら考えると、「買えるのか」「自分に合うのか」という疑問が具体的に解消されやすくなるでしょう。
また、現行モデルはスポーツカー不遇の時代に登場した希少な復活車種で、販売台数が少ないことから「買えない」「売れない」といった誤解も生まれがち。
こうした声の真相を理解しつつ、納車状況や先行予約の流れも押さえておけば、判断材料がより揃うのではないでしょうか。
この記事では、プレリュードの価格が高く感じられる理由や、先代モデルとの違い、そして購入条件の目安まで多角的に解説し、迷いやすいポイントを整理していきます。
プレリュードの購入条件と「高い」の真相 ― 価格の実情と先代からの進化
プレリュードは「高い」と感じる声が多いものの、その背景には性能・安全性・装備の大幅な進化があるでしょう。
ここでは価格の実情と先代からの変化を整理し、購入条件を考えるうえで知っておきたい“価値の本質”を分かりやすく解説します。
現行プレリュードの価格帯とライバル比較

■ プレリュードの価格帯とグレード構成
新型プレリュードはすでに販売開始され、価格は617万〜 と国産スポーツの中でも明確に“上級GTクーペ”の位置づけとなりました。
パワートレインは2.0L e:HEV、ボディ剛性の向上、静粛性重視の車体設計、上質な内装と最新安全装備を標準化しており、従来のプレリュード像からは大きく変化しています。
「高い」という声が出ていますが、走りと快適性の両立を追求した“モダンGTクーペ”として見れば、意図された価格帯といえます。
■ ライバル比較:スポーツカー市場での価格ポジション
2025年の国産スポーツカー市場は、全体的に価格帯が高騰しており、ライバルを並べるとプレリュードの立ち位置がより鮮明になります。
| 車種 | 価格帯(税込) | 市場の状況 |
|---|---|---|
| プレリュード(新型) | 617万円〜 | 新型GTクーペとして登場 |
| GR86 | 299〜371万円 | 手の届きやすい“純スポーツ” |
| シビック TYPE R | 599万円(新車) | 中古も高価格で高止まり |
| GRスープラ(SZ-R) | 560万円前後 | 生産終了で中古価格が高止まり |
特にTYPE Rとスープラは
- 世界的な需要
- 新車供給の減少
- 生産終了の影響
で中古相場が跳ね上がり、新車価格ではプレリュードが“最も買いやすい600万円台スポーツ” という逆転現象が起きています。
■ 「高い」の声の背景と、2025年のスポーツカー市場
プレリュードが“高い”と感じられる主な理由は、先代のイメージ(200〜300万円台) が強く残っていることです。
しかし現在のスポーツカー市場は、
- 安全装備の高度化
- 電動化対応
- 原材料費の高騰
- 生産台数の縮小(少量生産化)
によって、スポーツカー=400〜500万円台が当たり前 という状況に変化しました。
その流れの中で、プレリュードはスポーツ×快適性×上質感を両立するGT志向へのシフトを明確にし、TYPE Rほど尖らず、スープラほど高額でもない“中間の最適解”として位置づけられています。
結果として、
「高いが、同クラスの実勢市場ではむしろ妥当」
という評価に落ち着くのが2025年のリアルな状況でしょう。
20年以上前の先代プレリュードはどんな車だった?

■ 最終型(5代目)の価格帯と当時のポジション
プレリュードの最終型(5代目・1996〜2001年)は、2.2L VTECを搭載したスポーティクーペとして販売され、新車価格は約220万〜300万円台 が中心でした。
ホンダのスポーツブランドが輝いていた時代で、シビックやインテグラと並ぶ“若者が頑張れば買えるスポーティカー”という立ち位置。
月々の支払いも今より軽く、手が届きやすい価格帯で人気を集めました。
当時の価格を知る世代が、現行プレリュード(617万円〜)を見て驚くのも自然です。
■ 装備・安全性能・走行性能はどうだった?
5代目プレリュードは、ハンドリングの良さとVTECエンジンの高回転フィールが特徴で、操って楽しいFFスポーツとして高く評価されました。
ただし、装備や安全性は現代基準とは大きく異なり、
- エアバッグは運転席・助手席の2つ
- 衝突安全性能は「当時基準」
- ホンダセンシングのような先進安全装備は未搭載
- ボディ剛性・静粛性は現行型より大幅に低い
と、走りの楽しさは優れていた一方、日常性や快適性は今より“スポーツ寄り”でした。
室内の質感も必要十分で、現行モデルのようなラグジュアリー性はありません。
■ なぜ今「高い」と感じるのか ― 時代背景とのギャップ
現行プレリュードが「高い」と言われる理由の多くは、当時の価格(220〜300万円台)を基準にしている層が多いからです。
しかし2025年の今、車の価格は次の理由で大きく変わっています。
● 高く感じる3つの理由(要点)
- 物価上昇
20年で車用鉄鋼・樹脂・輸送コストが大幅に値上がり。 - 安全装備の義務化・高度化
自動ブレーキ、レーンキープ、歩行者検知など、今は“標準装備レベル”。 - 排ガス規制強化で開発コスト増
e:HEVのような電動化技術が必須となり、車両価格に反映。
“高い理由”を分解:性能・安全・品質の進化

■ ボディ剛性・静粛性・燃費の進化が価格に直結
現行プレリュードが高額になった最大の理由は、車そのものの完成度が大きく底上げされたことです。
最新プラットフォームによりボディ剛性は先代比で段違いに向上し、高速域での安定性・コーナリング精度が別物レベルへ。
静粛性も遮音材やボディ構造の工夫によって、従来のスポーツクーペとは比較にならないほど高められています。
さらにe:HEV化により燃費効率が向上し、環境性能も年々厳しくなる基準に適合。
これらの“土台づくり”のコストは確実に車両価格へ反映されます。
■ 内装・装備の質感向上と先進安全技術
新型プレリュードは、内装の仕上がりが従来のスポーツ車から大きく進化しました。
– シートの質感
– 静かな車内空間
– 触感の良いスイッチ類
– デジタルメーター
など、ミドルクラスの上質セダンに匹敵する雰囲気です。
また、ホンダ最新のHonda SENSINGを標準化し、
- アダプティブクルーズコントロール
- 車線維持支援
- 衝突軽減ブレーキ
- 近距離の被視認性向上
といった装備が“スポーツカーであっても必須”の時代になりました。
これらは安全に直結するため削れず、高価格化の要因になります。
■ 「スポーツ×日常」を両立するGT志向へ ― 車の性格が変わった
先代プレリュードは“若者のためのスポーティカー”でしたが、現行モデルは明確にGTクーペへと進化しています。
- 長距離でも疲れない乗り心地
- 上質な静粛性
- 実用的な燃費
- 日常域の扱いやすさ
こうした快適性を備えたことで、プレリュードはTYPE Rのような“尖ったスポーツ”とは違い、大人が日常で乗れるスポーツ×GTの融合にシフトしました。
つまり、価格が上がったのではなく、狙うクラスそのものが1段上がったというのが本質なのです。
プレリュードは高いのか?購入条件:買える人・買えない人、その違い
プレリュードは価格が高いと言われやすく、「買える人」と「買えない人」の差が明確に出るモデルでもあります。
ここでは購入条件の目安や、なぜ“買えない”という声が生まれるのか、その背景を整理します。
さらに「売れない」と言われる理由の実態にも触れ、判断の指標を分かりやすくまとめました。
年収・ローン・維持費から見る“現実的な購入条件”

■ 年収400〜550万円ラインがひとつの目安
プレリュード(617万円〜)を無理なく購入する現実的な年収ラインは、年収400〜550万円前後 がひとつの基準になります。
もちろん生活費や家族構成で変わりますが、車への支払い比率を「可処分所得の20〜25%以内」に抑えられるかがポイント。
プレリュードはスポーツ×GTの中間に位置し、維持費も軽自動車やコンパクトカーより高くなるため、年収に対する車両支出のバランスを慎重に見る必要がありますね。
■ 3〜5年ローンの月支払いは?
プレリュードの価格617万円をベースにした場合の月額目安は以下のとおりです。
| ローン期間 | 金利1.9%想定 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 3年(36回) | 約176,000円 | 家計に負担大 |
| 5年(60回) | 約110,000円 | 現実ライン |
| 7年(84回) | 約80,000円前後 | 実用的だが総支払額は増える |
実際には頭金を入れて調整する人が多く、
頭金100〜150万円+5年ローン が最も現実的なプランと考えられます。
■ 維持費の現実:任意保険・税金・燃費・タイヤ
スポーツ×GTゆえ、維持費は一般的なハイブリッド車より高めです。
年間の維持費目安(概算)
- 任意保険:10〜15万円(30代/車両保険込み)
- 自動車税:45,000円(2.0L)
- タイヤ:1本3〜4万円(18〜19インチ級)
- 燃費:WLTC 20km/L前後(e:HEVで日常性は高い)
- メンテ費:1〜2万円/年(基本点検)
年間合計は 約25〜35万円 を見ておきたいところです。
■ “買える人”の生活イメージ
プレリュードを無理なく買える層の特徴は次のとおりです。
● 無理なく買える人の傾向
- 月10万円前後の支払いを許容できる可処分所得
- 1〜2人暮らし、または子育て期が落ち着いた家庭
- 通勤距離は短く、週末に趣味として乗るスタイル
- 車は2台目・趣味用途だが日常もこなせるGTを求める
つまり、“背伸びすれば手が届くスポーツ”というより、
「生活に余裕があり、GTを日常に溶かし込みたい大人向け」 のモデルといえます。
「買えない」と言われる理由は?若者が苦戦する背景

■ 価格帯の上昇と“車全体の高価格化”が直撃
プレリュード(617万円〜)が「買えない」と言われる最大の理由は、スポーツカーの価格帯そのものが上がっていることです。
2025年の新車市場は、軽自動車ですら150〜200万円台、ミニバンは400〜500万円台が普通になり、スポーツカーは軒並み600万円超え。
若者の収入が大きく伸びていないなかで、車両価格だけが上昇したため、手が届きにくいという声が増えています。
これはプレリュードに限らず、TYPE Rやスープラにも共通する時代背景といえるのです。
■ 中古市場に“安い玉がない”という現実
プレリュードは発売開始したばかりで、2025年時点では中古車がほぼ存在しません。
スポーツカーは伝統的に「中古で買いやすい」モデルが多かったものの、今回の復活プレリュードに関しては、
- 初期ロットが少ない
- 供給量そのものが限られる
- 登録済み中古や展示落ちはほぼ出ない
という状況で、価格が下がった中古を待つ戦略が成立しないのが実情。
若者が「買えない」と感じやすい背景には、この“中古の不在”が大きく関わっています。
■ SNSでの「高すぎる」論争はどこまで本当か
SNSでは「600万円台は高すぎる」「昔のプレリュードの倍以上」という声が多く、価格だけが切り取られやすい傾向があります。
しかし、その多くは先代の200〜300万円台を基準にした感覚的評価であり、現行の性能・安全装備・電動化コストを踏まえた議論ではありません。
実際のオーナー候補層は、「TYPE Rより安い」「スープラ中古より手が出る」など、冷静に比較して判断する流れも強まっています。
■ 「売れない」は“台数が少ないだけ”で不人気ではない
ネット上で散見される「プレリュードは売れない」という意見も、実態とは異なります。
- そもそも年間販売台数が少ない
- 2ドアクーペ市場自体が小規模
- 受注数より生産台数が少ないタイミングもある
これらが“売れていないように見える”理由です。
実際には話題性が高く、予約状況も一定の動きがあり、「人気がないから売れない」のではなく、クーペ市場特有の少量生産が理由だと言えます。
購入判断のポイント:先行予約・納車時期・値引きの現実
■ 先行予約の流れと必要書類 ― 早めの動きが鍵
プレリュードを確実に手に入れるなら、まずはディーラーでの**先行予約(注文)**が基本。
必要な書類は以下が一般的です。
- 印鑑証明
- 実印
- 免許証
- 頭金の入金(数万円〜数十万円)
プレリュードは供給量が限られるため、正式な見積もり→注文→契約の流れをなるべく早く進めることが重要です。
展示車・試乗車の配備も少ない可能性があるため、事前の情報収集は欠かせません。
■ 初期ロットの納車はいつになる?
2025年時点の傾向として、初期ロットは注文後3〜6か月前後がひとつの目安になります。
ただしスポーツ系は通常の量産車と違い、生産ラインが限定的で、想定以上の注文が入ると納期が一斉に遅延する可能性もあります。
「売れない」と言われつつ納車が遅れるのは、需要より供給が少ないためであり、人気の低さとは関係がありません。
■ 値引きは期待薄 ― スポーツ系は“渋い”が基本
プレリュードの値引き状況は、スポーツモデルの例に漏れず渋めと考えるべきです。
- ライバル不在の2ドアクーペ
- 生産台数がそもそも少ない
- e:HEV専用の特別ライン
- 発売初期は需要が高い
こうした条件が揃うため、値引きは 0〜5万円程度 に落ち着く可能性が高く、「値引きで買う」戦略はほぼ成立しません。
むしろ、カラーやオプションの選択で“後悔しない仕様”を重視した方が満足度は高くなります。
■ 「売れない」のではなく“供給が少ない”という現実
ネットでは「プレリュードは売れない」と指摘されがちですが、実際には市場が小さいだけで、販売実績が不振というわけではありません。
- スポーツクーペ市場はもともと小規模
- 年間生産数が限定的
- 新車供給が追いつきにくい特殊カテゴリー
これらが重なり、受注ペースが読みにくいモデルに見えるだけです。
実際には“静かな人気”を持ちつつ、供給の少なさが市場の特徴になっているのです。
プレリュードの購入条件と価格の高さについて まとめ
■ この記事のポイント
- 新型プレリュードは 617万円〜 の上級GTクーペで、先代とは狙うクラスが異なる
- 「高い」と感じる理由の多くは、先代の200〜300万円台の価格感 とのギャップ
- 性能・静粛性・安全装備・内装品質が大幅に進化し、価格上昇に直結している
- 購入条件の目安は 年収400〜550万円前後+5年ローン月10万円前後 が基準
- 2025年時点では中古流通がなく“安い玉”を狙う戦略は成立しない
- SNSの「高すぎる」論争は、旧モデル基準の体感差によるものが大きい
- 「売れない」という印象は、供給台数が少ないスポーツクーペ特有の現象
- 先行予約〜納車は3〜6か月前後が想定され、値引きはほぼ期待できない
- ライバル(スープラ・TYPE R)が実勢で高騰しているため、相対的には“買いやすいポジション”にある
プレリュードの価格が高く感じられる背景には、時代の変化と車そのものの進化が大きく影響しています。
先代のイメージとは異なる“上質なGTクーペ”へと生まれ変わったことで、走行性能・安全性・快適性のすべてが現代基準に引き上げられ、価格にもその価値が反映されています。
購入条件としては年収や支払い計画、維持費の想定をしっかりと整理することで、自分に合うかどうかが見えてきますね。
スポーツカー市場が全体的に高騰している今、プレリュードは性能と価格バランスの取れた選択肢といえるでしょう。
納車状況や市場動向を確認しつつ、後悔のない一台選びに役立ててください。
■参考リンク
