86は何人乗り?4人乗りスポーツカーの真実を元オーナーが解説

5 min 16 views
86の乗車性
584Ze85TAKA

584Ze85TAKA

私はこれまでに10台以上の車を乗り継いできた経験を活かし、「車との暮らし」をテーマに情報発信しています。
車種のジャンルを問わずさまざまな車に関するトピック、また新車・中古車問わずリアルな使用感や選び方、維持費やメンテナンスのポイントなど興味がある方は是非ご覧ください。

FOLLOW

トヨタ86は公式には「4人乗り」として登録されているスポーツカーです。
しかし、実際にオーナーとして乗っていた経験から言うと、その後部座席は人が快適に座れるスペースとは言い難く、現実的には「緊急時以外は荷物置き場」と考えるべきです。
カタログ上は定員4名で、後部座席もきちんと設けられていますが、足元・頭上ともに大人が長時間座るにはあまりにも狭く、シート形状も快適性を重視していません。
子どもであっても、乗降や座席周りのスペースに制約があるため、日常的な使用は難しいのが実情です。
それでも、スポーツカーでありながら後席を備えているのは86の特徴の一つで、短距離移動や緊急時には役立ちます。
加えて、後席を荷物置き場として活用すれば、旅行や買い物時の積載性を補うことも可能。

本記事では、86の後部座席の広さや使い勝手を元オーナー目線で解説し、兄弟車BRZや他の2ドア4人乗りクーペ(RX-8、レクサスRC、BMW4シリーズ、アウディTT)との比較も行います。

購入を検討している方や、実際の使い勝手を知りたい方に向けて、リアルな情報をお届けしましょう。

86は4人乗り?後部座席は実質荷物置き場

公式には4人乗りのトヨタ86ですが、後部座席は大人が快適に座れる広さではありません。
実際のところ、日常では荷物置き場として使うケースがほとんど。ここではその理由と実際の寸法を解説します。

公式スペックとカタログ上の「4人乗り」について

トヨタ86はカタログ上、**前席2名+後席2名の「2+2シーター」**として登録されています。
自動車の定員は「乗車定員表記に基づく座席数」で決まるため、後席がどれほど狭くても、シートベルトが備わり座れるスペースがあれば4人乗りとして扱われます。

しかし、この「4人乗り」という数字はあくまで法的・構造的な定義であり、実際の快適性を保証するものではありません。


86(現行型・2代目)の室内寸法(カタログ値)

項目数値備考
室内長約1,625mm前席〜後席背もたれまで
室内幅約1,470mm肩幅ベース
室内高約1,060mm天井〜床まで
後席足元スペース(実測目安)約50〜70mm前席位置によって変動
後席頭上スペース(実測目安)ほぼゼロ〜数cm背もたれに座ると頭が天井に当たる

ポイント

  • 室内寸法はあくまで前後席を含めた全長であり、後席単体の数値ではない。
  • 後席足元は、前席を標準的なポジションにすると大人は膝が完全に前席に密着するレベル。
  • 頭上スペースもほぼなく、身長170cm以上では背筋を伸ばして座れない。

このため、カタログ値で見る「4人乗り」と、実際に快適に乗れるかは大きく異なるのです。

元オーナーが語る86の後部座席の実態

元オーナーが語る86の後部座席の実態

大人が座るのはほぼ不可能なスペース

前席を通常のドライビングポジション(身長170cm前後の人が快適に運転できる位置)に設定すると、後席の足元スペースはほぼゼロに近い状態になります。
膝は前席の背もたれに強く押し付けられ、足首を横にひねるようにしなければ足が収まりません。
さらに天井との距離もほとんどなく、背筋を伸ばして座ると頭が完全に天井に接触。
身長165cm程度でも窮屈、170cmを超えると首を傾けたまま座ることを強いられます。

シート角度とクッション性の問題

後席シートは背もたれが立ち気味で、角度調整やリクライニングは不可。
クッションは厚みが薄く、長時間座るための快適性よりも、軽量化や荷室の形状確保を優先した作りになっています。
座面も短く、大腿部の裏が浮くため、脚全体をしっかり支えてくれません。
結果として、座って数分で腰や背中に疲労を感じることが多く、ドライブの楽しさよりも「耐える時間」になるでしょう。

長距離移動は現実的ではない

このような空間とシート形状のため、後席に大人が座った状態での長距離移動はほぼ不可能です。
例えば高速道路で片道1〜2時間移動した場合、到着時には全身がこわばり、足や首に強い疲労感を覚えます。
実体験としても、後席を常用することはなく、せいぜい片道30分以内の短距離移動や「緊急でどうしても人を乗せる必要がある場合」に限られました。

後部座席の現実的な使い方

86後部座席の現実的な使い方

荷物置き場としての利便性

86の後部座席は、人を乗せるよりも荷物置き場として使う方がはるかに実用的でしょう。
クーペ特有の小さなトランク容量を補うためにも、後席をフラットに近い状態で活用すれば、スーツケースや大型の買い物袋、カメラ機材などを余裕をもって置くことができます。
特に日常的な買い物や荷物の一時置き場としては便利で、前席に置くと邪魔になる荷物も後席に移せば運転の快適性が保てます。

買い物・旅行での活用例

例えば週末の買い物や旅行では、トランクにはキャリーケースを入れ、後席にはリュックやお土産袋、折り畳み傘などを置くという使い方ができます。
また助手席を人が使っている場合でも、後席を荷物専用にすることで、助手席足元を広く使えます。スノーボードや釣り竿など長物を積む場合も、後席を倒したり、片側だけ空けて斜めに置くことで収納が可能ですね。

緊急時に短距離だけ人を乗せるケース

どうしても人を乗せる必要がある場合は、短距離限定であれば可能です。
例えば飲み会の帰りに駅まで送る、急な雨で同僚を近くまで送る、といった10〜15分程度の移動ならなんとか耐えられます。
ただし、大人2人を後席に同時に座らせるとさらに窮屈になり、会話や姿勢にも影響が出るため、快適性はほぼ期待できません。
そのため、後席に人を乗せるのは「本当に必要な時だけ」と割り切るのが現実的なのです。


86とBRZ 他の2ドア4人乗りクーペとの比較

86の後部座席は非常用レベルですが、同じ2ドア4人乗りクーペでも広さや使い勝手は車種によって異なります。
ここでは兄弟車BRZや、国産・輸入の代表的なクーペと比較し、実用性の差を見ていきましょう。

BRZとGR86の後部座席はほぼ同じ

86とBRZとGR86の後部座席はほぼ同じ
  1. 共同開発で生まれた兄弟車
    トヨタのGR86とスバルのBRZは、両社が共同開発した兄弟車です。
    ボディサイズやホイールベース、室内寸法は共通設計で、走行性能や外観デザインに違いはあっても、室内空間の広さやレイアウトは変わりません。
  2. 後部座席の広さと形状
    後部座席の形状やサイズは両車とも同一で、大人が快適に座れる広さではない点も共通です。
    足元は前席の位置次第でほぼゼロに近く、頭上も170cm前後の人なら天井に接触します。
    座面は薄く、背もたれの角度も立ち気味なため、長時間の乗車は困難でしょう。
  3. 違いは内装や細部のみ
    両車の内装で異なるのは、ステアリング中央のロゴや、シートのステッチ色、メーターパネルのデザインなど細部のみです。
    後席の快適性や広さに関しては完全に同じと考えて差し支えありません。
  4. 結論:どちらも実用性は限定的
    GR86もBRZも、後部座席はあくまで緊急時や短距離移動限定と割り切るべきです。
    日常的に人を乗せる用途には向かず、荷物置き場として活用する方が現実的と言えるでしょう。

国産クーペ(マツダRX-8・レクサスRC)との比較

86と国産クーペ(マツダRX-8・レクサスRC)との比較

マツダ RX-8:観音開きドアで乗降性良好

マツダRX-8は4枚ドア風の「観音開きドア(フリースタイルドア)」を採用しており、後部座席への乗り降りが非常にスムーズです。
室内寸法も86より広く、大人が短距離なら問題なく座れるレベルの足元スペースを確保。
頭上空間もやや余裕があり、クーペの中では実用性が高いモデルです。

レクサス RC:高級志向で後席も比較的快適

レクサスRCは車格が大きく、室内幅や全長が86より余裕があります。
後席足元は依然としてクーペとしての制約がありますが、シート形状やクッション性が優れており、長距離でも比較的快適に座れます。
高級車らしい静粛性や質感も魅力ですね。


後部座席の比較表(国産クーペ)

車種乗降性足元スペース頭上スペースシート快適性後席の実用性評価
トヨタ86/GR86/BRZ△(ドア長い2ドアのみ)極狭ほぼゼロ固め・薄い緊急時限定
マツダRX-8◎(観音開きドア)やや広め余裕あり普通短距離なら可
レクサスRC○(ドア長いが車幅広い)そこそこやや狭め柔らかめ・質感高い比較的快適

輸入クーペ(BMW4シリーズ・アウディTT)との比較

86と輸入クーペ(BMW4シリーズ・アウディTT)との比較

BMW 4シリーズ:車格が上で居住性に余裕

BMW4シリーズはミドルサイズの高級クーペで、全長・全幅とも86より大きく、ホイールベースも長い設計です。
そのため後部座席の足元・頭上空間には余裕があり、大人4人での移動も十分可能。
シート形状やクッション性も快適性重視で、長距離移動にも対応できます。

アウディ TT:4人乗りだが後席は非常用

アウディTTクーペは公式には「2+2シーター」で4人乗りですが、後席の広さは86とほぼ同等かそれ以下です。
足元は極端に狭く、頭上も低いため、大人が長時間座るのは困難。
実質的には荷物置き場としての利用が現実的で、日常的な人の乗車には向きません。


後部座席の比較表(輸入クーペ)

車種乗降性足元スペース頭上スペースシート快適性後席の実用性評価
トヨタ86/GR86/BRZ△(2ドアのみ)極狭ほぼゼロ固め・薄い緊急時限定
BMW 4シリーズ○(ドア大きめ)広い余裕あり快適・質感高い長距離可
アウディTT△(2ドアのみ)極狭かなり低い固め・短い荷物置き場向き

86は何人乗りなのか まとめ

記事のポイント

  • トヨタ86(現行GR86含む)は公式には**4人乗り(2+2シーター)**として登録されている
  • 室内寸法上、後部座席は足元・頭上ともに大人が快適に座れるスペースではない
  • 元オーナーの経験からも、後席は緊急時限定での使用が現実的
  • 日常では荷物置き場としての利便性が高く、トランクの容量不足を補える
  • 兄弟車のBRZも後席の広さ・形状はGR86と完全に同一
  • マツダRX-8は観音開きドアで乗降性良好、後席も86より広め
  • レクサスRCは高級志向で後席快適性も比較的高い
  • BMW4シリーズは大人4人で長距離移動が可能な余裕がある
  • アウディTTは公式4人乗りだが、後席は実質荷物置き場で86と同じレベル

トヨタ86は法的には4人乗りですが、後部座席の実用性は極めて低く、**現実的には「2人+荷物置き場」**のスポーツカーです。
大人が快適に座れるスペースはなく、短距離の緊急時以外での乗車は推奨できません。
一方で、荷物置き場として活用すれば、スポーツカー特有の小さなトランク容量を補える利点があります。
もし後席を日常的に使用する予定があるなら、RX-8やBMW4シリーズのような、後席スペースに余裕のあるクーペや4ドアモデルを検討する方が賢明です。
86は走りとデザインを最優先に楽しみ、後席はあくまで補助的な存在と割り切ることが、この車を最大限に活かす秘訣なのです。

参考リンク トヨタ86Wikipedia

584Ze85TAKA

584Ze85TAKA

私はこれまでに10台以上の車を乗り継いできた経験を活かし、「車との暮らし」をテーマに情報発信しています。
車種のジャンルを問わずさまざまな車に関するトピック、また新車・中古車問わずリアルな使用感や選び方、維持費やメンテナンスのポイントなど興味がある方は是非ご覧ください。

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事