GR86/86の中古は危険“やめとけ”と言われる理由10選|失敗しないチェックリスト

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86中古車の危険性
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私はこれまでに10台以上の車を乗り継いできた経験を活かし、「車との暮らし」をテーマに情報発信しています。
車種のジャンルを問わずさまざまな車に関するトピック、また新車・中古車問わずリアルな使用感や選び方、維持費やメンテナンスのポイントなど興味がある方は是非ご覧ください。

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トヨタ 86(ZN6)やGR86(ZN8)の中古車は、手頃な価格で本格FRスポーツを味わえる魅力があります。

しかしネット上では「危険」「やめとけ」といった意見も少なくありません。

その背景には、年式による特有のリコール歴や持病、そして前オーナーの使用状況によるコンディションの差が大きく関わっています。
とくにスポーツカーは走行会やサーキットで酷使されるケースもあり、外見がきれいでも内部は大きなダメージを抱えている場合があります。
また、バルブスプリングや燃料ポンプなど重要部品の不具合、オイル漏れや異音といった症状は、購入後に多額の修理費を招くことも。
とはいえ、全ての中古86が危険なわけではありません。
リコール対応や整備記録がしっかり残され、使用履歴が明確な個体を選べば、長く安心して楽しむことが可能です。

本記事では、中古86の危険と言われる理由を10項目に整理し、それらを避けるためのチェックリストを提示します。

購入前に知っておくべきポイントを押さえ、失敗のない1台選びに役立ててください。

GR86/86の中古が危険と言われる理由

中古のGR86や86が「危険」と言われるのは、リコール未対応や年式特有の持病、過酷な使用歴などが原因なのです。
購入前に知っておくべき代表的なリスクを整理します。

リコール歴と未対策個体のリスク

初期ZN6のバルブスプリング折損リコール(2012–2013年式)

2012〜2013年式の初期型ZN6は、バルブスプリングの強度不足により走行中に折損する恐れがあるとしてリコールが行われました。
バルブスプリングが破損するとエンジンが異常停止し、最悪の場合は走行不能になるリスクがあります。
国土交通省の発表でも安全上重要な不具合とされ、対策部品への交換が必須です。
しかし、中古市場にはリコール未対応の個体が残っている場合もあり、外見からは判別できません。年式が該当する場合は、必ず整備記録やリコール作業証明で確認する必要があるのです。

燃料ポンプ不具合・GR86の後方灯不点灯リコール

ZN6では燃料ポンプの樹脂インペラが膨潤して作動不良を起こす不具合も報告されています。
症状が進行すると燃料供給が途絶え、エンストや再始動不能を招く可能性があります。
また、GR86(ZN8)では2021〜2022年式の一部でリヤウインカーやハザードランプが点灯しない不具合が発覚し、これもリコール対象となっています。
灯火類の不点灯は整備不良車と見なされ、事故や取り締まりの原因にも。
これらの不具合は外観ではわからないため、販売店での確認が欠かせません。

VINで公式リコール消化状況を確認する重要性

リコールが実施されているかを確実に知る方法は、車台番号(VIN)で公式リコール情報を照会することです。
トヨタ公式サイトや国土交通省の「自動車リコール・不具合情報検索」では、VINを入力することで過去のリコール履歴や未実施の案件が一目で確認できます。
販売店が「対応済み」と説明していても、念のため公式データベースで照合するのが安心です。
リコール未実施のまま購入してしまうと、納車後すぐに長期入庫や予期せぬ修理費用が発生する恐れがあるため、必ず契約前に確認しましょう。

エンジン周りの持病と高負荷使用歴

86のエンジン周りの持病と高負荷使用歴

FA20系のタイミングカバー周辺オイル滲み・漏れ

86(ZN6)とGR86(ZN8)に搭載されるFA20系エンジンでは、タイミングカバー周辺からのオイル滲みや漏れが持病として知られています。
シール材の劣化や組み付け部の歪みにより、エンジン下部や排気系にオイルが垂れ、焦げ臭や白煙の原因になることがあります。
軽度の滲みでも放置すれば被害が拡大し、修理はエンジン降ろし作業を伴うため高額です。
中古購入時は、下回りやエンジン前方のオイル跡を必ず確認しましょう。

主なリスク

  1. 排気熱による発煙・異臭
  2. オイル量減少による潤滑不足
  3. 修理費用が高額(10万円以上になる場合も)

高圧燃料ポンプの「コオロギ音」

FA20系でよく話題になるのが、高圧燃料ポンプから発生する「コオロギ音」と呼ばれる金属的なチリチリ音です。
特にアイドリング時や低回転域で顕著で、機能的には致命的な故障ではないものの、気になるオーナーも多い症状です。
メーカーからは対策品への交換事例もありますが、中古ではそのまま残っている車両も。
試乗時に耳を澄ませて、アイドリング時の音をチェックするのが有効ですね。

注意点

  • 音が出ても即故障ではない
  • 気になる場合は対策ポンプ交換(保証外なら費用負担あり)

走行会・サーキット走行歴による内部摩耗や保証対象外リスク

スポーツカーである86/GR86は、前オーナーがサーキットや走行会で使用していた可能性もあります。
これ自体は車の楽しみ方の一つですが、エンジン・ミッション・デフなど駆動系への負担は大きく、オーバーホール歴がなければ内部摩耗が進んでいることも。
さらにメーカー保証は「競技やサーキット走行による不具合」は対象外となるケースが多く、購入後の修理費は自己負担となります。

確認ポイント

  1. 整備記録にサーキット使用や高負荷整備の記載があるか
  2. タイヤやブレーキの摩耗具合(片減りや極端な摩耗)
  3. 下回りに縁石接触跡や擦り傷がないか

年式・型式別の特有トラブル

86の年式・型式別の特有トラブル

ZN6のテールランプ結露・トランク水侵入

初代ZN6(2012〜2020年式)では、テールランプ内部の結露やトランク内への水侵入が持病として知られています。
結露が進むと内部の反射板や電極に水滴が付着し、点灯不良や腐食の原因になるのです。
また、トランク内のカーペットをめくると錆や水跡が見つかることもあり、これらは長期的に車体の耐久性に悪影響を与えます。

確認ポイント

  1. テールランプ内部に水滴や曇りがないか
  2. トランク内側の錆やカビ臭の有無
  3. ウェザーストリップ(ゴムパッキン)の劣化状況

ZN8のRTVかすによるオイルストレーナ目詰まり

GR86(ZN8)では、一部でRTV(液体ガスケット)のかすがオイルストレーナに溜まり、油圧低下やエンジン焼き付きにつながるトラブルが報告されています。
特に高回転・高負荷運転を繰り返す車両でリスクが上昇。
オイル管理が良好でも、組み付け時の余剰シーリング材が剥がれることで発生するため、外からは判断しにくい問題です。

予防策

  1. 購入時にオイルパン開封歴・ストレーナ清掃歴があると安心
  2. 高回転域での異音や油圧警告灯の履歴を確認
  3. 年式・製造ロットに応じたサービスキャンペーン情報を調べる

リコール作業後の副次的トラブル

リコール対応は安全のために必須ですが、作業後に副次的な不具合が発生するケースもあります。
例えば、バルブスプリング交換や燃料ポンプ交換時の分解・組み付けでシールやパッキンの密着が不完全となり、オイル滲みや異音が発生する事例があります。
これらはリコール作業後すぐではなく、しばらく経ってから現れることもあるため注意が必要と考えます。

対応のポイント

  1. リコール作業履歴と作業明細を確認
  2. 作業後に点検・再整備を受けた記録があるかをチェック
  3. 不具合発覚時に対応してくれる販売店・整備工場の有無を確認

GR86/86中古車の危険を回避するチェックリストと選び方のコツ

中古のGR86や86を安全に購入するには、事前のチェックが不可欠と言えるでしょう。
ここでは、リスクを回避し長く楽しむための確認項目と、年式別の選び方のコツを解説します。

納車前に必ず行うべきチェック

86の納車前に必ず行うべきチェック

中古のGR86/86を購入する際は、外観や価格だけで判断せず、納車前のチェックを徹底することが重要ですね。
以下の表は、最低限押さえておきたい確認項目と、その理由・チェック方法を整理したものです。

チェック項目理由チェック方法
整備記録簿の確認(オイル・主要部品交換履歴)定期的なメンテナンス履歴がある車は内部摩耗や故障リスクが低い記録簿にオイル交換時期、冷却水・ブレーキフルード・クラッチフルード・デフオイルなどの交換履歴が記載されているか確認
下回り・エンジンルームのオイル跡点検FA20系特有のタイミングカバー周辺オイル滲みや漏れを早期発見できるリフトアップやピットインで下回りを確認。オイルパン・エンジン前面・排気付近に湿りや汚れがないかチェック
試乗でのシフト・クラッチ感覚や異音確認MTの入り渋りやクラッチレリーズベアリング異音など、走行性能に直結する不具合を見抜けるエンジン始動から暖機後に全ギアを試す。半クラ時の異音、発進や加速時のショック、シフトフィールの引っかかりを確認

この3項目は、リコール対応や見た目のきれいさ以上に、実際のコンディションを左右する重要ポイントです。
販売店任せにせず、自分の目と耳で確かめることが安心につながるのです。


年式別の注意点と狙い目

ZN6(2012–2020):2012–2013年式はバルブスプリング未対策車を避ける

初代ZN6は2012年に登場し、FRライトウェイトスポーツとして人気を集めました。
しかし、発売初期の2012〜2013年式はバルブスプリングの強度不足によるリコール対象で、未対策車は走行中にエンジンが突然停止する危険性があります。
リコール対応済みかどうかは外観からは判断できず、整備記録やメーカー公式サイトのVIN検索で確認が必要です。
特に個人売買や小規模店舗では証跡が不十分な場合もあるため注意しましょう。


ZN8(2021–):2021–2022年式は後方灯リコール対応済みを選ぶ

2代目GR86(ZN8)は2021年に発売され、初代よりもパワーアップと剛性強化が図られました。
しかし、2021〜2022年式の一部でリヤウインカーやハザードランプが点灯しない不具合が発覚し、リコールが行われています。
灯火類の不点灯は、安全面だけでなく車検不適合にも直結。
中古車を選ぶ際は、左右の灯体が新品交換されているか、またはリコール作業記録が残っているかを確認しましょう。


RTV問題が指摘された年式はオイルパン開封歴の有無が安心材料

GR86の一部年式では、エンジン組み付け時の液体ガスケット(RTV)のかすがオイルストレーナに詰まり、油圧低下やエンジン損傷につながる事例が報告されています。
特に高負荷走行を繰り返した個体でリスクが高まります。
外からは判別できないため、中古車選びではオイルパンを開けて清掃した記録や写真が残っている車両が望ましいと考えます。
もしそうした証跡がなければ、納車前整備でオイルパン開封を依頼するのも有効な予防策になりますね。

安心して購入するための条件

86を安心して購入するための条件

やはり中古車選びの基本ですが、GR86や86のようなスポーツカーは特に「証拠」と「信頼できる販売元」が重要です。
走行距離や外観のきれいさだけでは判断できない部分を、確実に裏付ける条件を満たす車両を選びましょう。

  • 1. リコール完了+整備記録が揃っている
    リコールが全て完了していることは大前提です。加えて、定期的なオイル交換や主要部品の交換履歴が残っている車は、内部摩耗や突発的な故障のリスクが低くなります。記録簿には日付・走行距離・作業内容が明記されているかを必ず確認しましょう。
  • 2. ディーラーや信頼できる専門店から購入
    個人売買や整備記録が曖昧な販売店は、購入後のトラブル対応が不十分なケースもあります。メーカー系ディーラーや86/BRZ専門店であれば、過去の整備履歴をメーカー記録から照会できる場合が多く、販売前の点検基準も厳格です。
  • 3. 保証継承・延長保証の可否を事前確認
    保証が残っている車両は、名義変更と点検を経て保証を継承できます。さらに、条件を満たせば延長保証を付けられることもあり、購入後の修理費負担を大幅に抑えられます。特にGR86は新車保証が残っているケースも多いため、必ず販売店で可能か確認しておきましょう。

まとめると、安心して購入できる中古GR86/86の条件は以下の通りです。

  1. 全リコール対応済みで、整備記録が充実している
  2. ディーラーや専門店など信頼できる販売元
  3. 保証継承・延長保証の制度を活用できる

こうした条件をクリアした車両は、長期的に安心して所有でき、余計な修理費用やトラブルを避けられます。


GR86/86の中古は危険と言われる理由と回避について まとめ

GR86や86の中古が「危険」と言われるのは、多くの場合、特定年式のリコール未対応やエンジン周りの持病、そして過酷な使用履歴に起因します。
特にスポーツカーは見た目がきれいでも内部にダメージを抱えていることがあり、購入前の確認が欠かせません。

回避のポイントは、①リコール履歴、②持病の有無、③使用履歴の3点を確実に押さえることです。

整備記録が充実し、信頼できる販売元から購入すれば、安心して長く楽しめる一台を手に入れることができます。
証跡が揃った個体なら、中古86も存分に魅力を味わえるでしょう。


参考リンク

  1. トヨタ公式 リコール情報
  2. 国土交通省 自動車リコール・不具合情報
584Ze85TAKA

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私はこれまでに10台以上の車を乗り継いできた経験を活かし、「車との暮らし」をテーマに情報発信しています。
車種のジャンルを問わずさまざまな車に関するトピック、また新車・中古車問わずリアルな使用感や選び方、維持費やメンテナンスのポイントなど興味がある方は是非ご覧ください。

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