トヨタ・ハリアーに乗っていて、「バックドアを開け閉めするとギーッと音がする」「リアゲート付近からガタガタ鳴る」――そんな異音に悩む声が少なくありません。
特に60系・80系ハリアーでは、電動リアゲートの構造が複雑になったことで、ダンパーやロック部品の摩耗・グリス切れが原因になるケースが多いといわれています。
放置すると異音が悪化し、最悪の場合は開閉不良やセンサー誤作動につながることもあるため、早めのチェックが大切です。
この記事では、ハリアーのバックドア異音が起きる原因から、自分でできる対処法、ディーラーでの修理費用の目安までをわかりやすく解説します。
さらに、これからハリアーを購入する人のために、試乗時や中古車購入時に確認しておきたいチェックポイントも紹介。
実際のオーナー体験や整備事例も交えながら、「異音を消す」ための実践的なヒントをまとめました。
快適で静かな乗り心地こそハリアーの魅力。気になる異音の原因を正しく理解し、安心して長く乗り続けるための一歩にしましょう。
ハリアーのバックドア異音が出たときの原因と対処法【現オーナー向け】
ハリアーのバックドアから異音が出たとき、多くはダンパーやロック部品など可動部の摩耗が原因です。
ここでは、実際に異音が発生したオーナー向けに、音の種類・原因別の見分け方から「異音を消す」ための具体的な対処法をわかりやすく紹介します。
どんな音がする?バックドア異音の特徴とよくある症状

代表的な異音タイプとその特徴
ハリアーのバックドアから聞こえる異音には、いくつかの傾向があります。
もっとも多いのが「ギー」「ギッ」という金属の摩擦音で、これはダンパー内部の潤滑不足やヒンジ部の錆が原因の場合が多いですね。
次に多いのが「ガタ」「コトコト」といった揺すられるような音で、固定ボルトのゆるみや内張りのズレが疑われます。
また、「カタカタ」と軽い打音が続くときは、ロック部分や樹脂パーツの擦れが起点になっているケースが一般的。
音の質を把握することが、原因特定の第一歩になるのです。
音が出るタイミング別のチェックポイント
異音は出る“タイミング”によって原因が異なります。
開閉時にギー音がするなら、ダンパーやヒンジの潤滑切れ。
途中で止まるときのギッ音は、電動リアゲートのモーター抵抗やロック機構の引っかかりが考えられます。
さらに走行中にカタカタ音がする場合は、バックドア内部の共振や、内装トリムがわずかに浮いていることが原因のことも。
走行時・停車時・開閉時、それぞれのシーンで音の変化を観察すると、対処の方向性が見えてきます。
60系・80系で異音の出やすい部位の違い
60ハリアーでは、構造的にダンパーの取り付け部やトリム内の固定ピンから異音が出やすく、長年の使用で金属疲労が進む傾向があります。
対して80ハリアーでは、電動リアゲートの採用により、モーター部やセンサー近辺からの異音報告が増えています。
特に開閉途中で止まる・ロック音が重いと感じる場合は、電子制御系の誤作動や潤滑不足の可能性が高いですね。
年式によって異音の性質が違うため、自分の型に合った点検ポイントを押さえることが大切でしょう。
原因の多くはダンパーやロック部品にあり【セルフチェック法】

異音の主因はダンパー・ロック部・ヒンジ部の摩耗
バックドア異音の多くは、可動部の摩耗や潤滑不足が原因です。
まず注目したいのがガスダンパーの劣化。
経年でガス圧が落ちたり、軸部のグリスが切れると、開閉時に「ギー」「ギッ」という摩擦音が発生します。
次に多いのがロック機構やヒンジ部の金属接触音で、「カチカチ」「コトコト」といった軽い打音が特徴。
固定ボルトが緩んでいたり、ドアの位置がわずかにズレているケースも少なくありません。
また、内装トリムの擦れや共振音が“足回りの異音”と勘違いされることもあります。
特に走行時にだけ鳴る場合は、リアゲート内部のクリップや内張り固定ピンの緩みを疑いましょう。
自分でできる簡単なセルフチェック方法
バックドアの異音は、いくつかのポイントを押さえれば自分でも確認できます。
- バックドアを半開状態でゆっくり動かし、「ギー」「ギッ」と音がする箇所を特定する
- ゴムパッキンやダンパーの軸部に汚れ・乾きがないかを目視確認
- ロック部分に軽く触れ、ガタつきや緩みがないかチェック
- 内装トリムを手で軽く押してみて、カタカタと動く箇所がないか確認
これらを行うことで、異音の発生源をおおよそ特定できます。
音の種類と場所を把握しておけば、ディーラーや整備工場への相談もスムーズ。
異音は放置すると悪化するため、早期発見と小まめな点検がハリアーを快適に保つカギといえます。
異音を消すための対処法と修理費用の目安

シリコングリス・ラバーグリスで異音を消す基本メンテ法
軽度のバックドア異音なら、まずは潤滑剤でのメンテナンスが効果的です。
ダンパーやヒンジ部、ロック周辺の可動部には、シリコングリスやラバーグリスを薄く塗布。
金属部分に金属用グリス、ゴムや樹脂にはラバーグリスが適しています。
スプレータイプの潤滑剤を使用する場合は、吹きかけすぎず、ウエスで軽く拭き取りながら馴染ませるのがコツです。
雨天後や洗車後にグリスが流れ落ちることがあるため、月1回程度の再塗布で効果を維持できるのです。
ダンパー交換・リアゲート交換の費用目安
異音が長期間続いたり、開閉の途中で止まるようになった場合は、部品交換が必要になることがあります。
代表的な目安は以下の通りです。
- ダンパー交換:1本あたり 7,000~15,000円前後+工賃3,000~6,000円
- ロックアクチュエーター交換:10,000~20,000円前後
- リアゲート全交換:7万~15万円前後(塗装・工賃込み)
ディーラーでの作業はやや高額ですが、純正部品の精度と保証対応を考えれば安心です。
特に電動リアゲート付きモデルでは、モーターやECUの再学習が必要になるため、専門工場への依頼が確実でしょう。
DIYで難しい場合のディーラー依頼ポイント
DIYで潤滑や点検をしても改善しない場合、無理に分解せずディーラーや認定整備工場に相談するのが賢明です。
依頼時には以下の点を伝えると、原因特定が早くなるでしょう。
- どんな音が、どのタイミングで鳴るか(例:「開けるときギー音」「途中で止まるときギッ音」)
- 音の位置(右側・左側・ロック付近など)
- 天候や気温による変化の有無(湿気が多いときだけ鳴る、など)
整備士はこの情報をもとに、ダンパー・ロック・トリム内部などを順番に点検していきます。
放置すると悪化するケースと注意点
異音を放置すると、摩耗の進行やモーターへの負荷増大で不具合が広がることがあります。
特に電動リアゲートの場合、モーターが異常な抵抗を感知して途中で止まる、あるいは開閉が重くなる症状が出ることも。
さらに、ロックが正しく閉まらないまま走行すると、ボディの振動や水漏れにもつながりかねません。
軽い音のうちに対処すれば、修理費は最小限で済みます。逆に放置すれば、最終的に数万円規模の修理に発展するケースもあるため、早めの点検が結果的にコスパの良い選択といえるでしょう。
購入前に知っておきたい「ハリアーのバックドア異音」リスクと対策【検討者向け】
ハリアーの購入を検討している人にとって、「バックドア異音」は見落としがちなチェックポイントでしょう。
中古車では特にダンパーやロック部品の摩耗が潜んでいることもあります。
ここでは、購入前に知っておきたい異音のリスクと、試乗や点検で確認すべきポイントを紹介します。
60系・80系ハリアーで報告される異音の傾向と原因

年式・モデル別に異なる異音の発生傾向
ハリアーはモデルごとにバックドア構造が異なり、異音の出方も世代で傾向が分かれます。
- **60系ハリアー(2013〜2020年)**では、ダンパーの軸部やヒンジの摩耗による「ギー」「ギッ」という擦れ音が多く報告されています。特に開閉角度の途中で小さな抵抗を感じる場合は、潤滑切れが原因のことが多いです。
- **80系ハリアー(2020年〜)**は、電動リアゲートを採用したことにより、モーター音や制御音が増え、電子制御部の作動音を「異音」と感じるケースもあります。構造が複雑な分、わずかなズレでも動作不良につながりやすい点が特徴です。
電動リアゲート付きモデルで多いトラブル
80系を中心に増えているのが、電動リアゲートの途中停止やロック音の異常です。
開閉途中で「ギッ」と止まる場合は、モーターの負荷検知センサーが作動している可能性があり、内部の潤滑不足やガスダンパーの劣化が原因と考えるられるのです。
また、「バタン」と大きなロック音がするのは、ロックアクチュエーターの調整ズレや電圧低下による制御誤差が考えられることも。
こうした症状は自己診断が難しいため、ディーラーでECU診断を行うのが確実です。
口コミ・オーナー体験談に見る実例
実際のオーナーの声からも、異音の傾向と対処法が見えてきます。
- 「閉める時にギギギと鳴くような音が出たが、ヒンジ部にグリスを塗ったら改善した」
出典:みんカラ/ハリアー整備記録 - 「80系ハリアーでリアゲートが途中で止まる。ダンパーの動きが硬く、潤滑で一時的に改善
出典:Yahoo!知恵袋/ハリアーのリアゲート質問 - 「ロック音が大きくなり、ディーラーでロック機構を調整してもらったところ解消」
出典:価格.com クチコミ掲示板
こうした実例からも、モデルごとに異音の原因が異なることが明確です。
購入前に試乗や点検でリアゲートの動きと音を確認することで、トラブルを未然に防ぐことができるのです。
購入時に確認したいチェックポイントと試乗のコツ

| チェック項目 | 確認ポイント | 注意点・コツ |
|---|
| 開閉音の確認 | 試乗や展示車確認の際に、バックドアをゆっくり開け閉めして「ギー」「ギッ」「カタカタ」といった異音がないか確認。 | ・静かな場所で行うと微かな音も聞き取りやすい。 ・開閉の途中で抵抗や引っかかりがあれば、ダンパー摩耗やグリス切れの可能性。 |
| ロック音のチェック | ドアを閉めた際の「バタン」「カチッ」というロック音の大きさやテンポを確認。 | ・必要以上に大きな音が出る場合は、ロック部の調整ズレやアクチュエーター異常の疑い。 ・左右で音が違う場合は、ヒンジ部の締め付けバランスも要注意。 |
| 開閉速度の確認 | 電動リアゲート付きモデルでは、開閉速度が極端に遅い・途中で止まる症状がないかをチェック。 | ・モーターやセンサーの初期不良・潤滑不足が原因のことも。 ・途中で停止した場合は、販売店スタッフに再現を依頼しておく。 |
| 販売店での整備履歴確認 | 「リアゲート異音」「ダンパー交換」などの整備履歴がないか確認。中古車では特に重要。 | ・トヨタディーラーであれば整備記録簿に履歴が残っている。 ・過去に修理履歴がある場合、再発の有無も聞いておく。 |
| 中古車購入時の実車チェック | 展示車・中古車は実際に開閉して、リアゲートの動作がスムーズか、途中で止まらないかを確認。 | ・特に60系では手動開閉の抵抗感、80系では電動動作の異常をチェック。 ・バックドア下端にサビやオイル跡があればダンパー劣化の可能性。 |
| 販売店への質問例 | 「バックドアやロック部分の異音整備歴はありますか?」 「開閉時に異音が出やすい年式ですか?」などを確認。 | ・具体的に尋ねることで、販売員が試乗前に整備点検を行ってくれるケースもある。 |
購入後の予防メンテナンスと安心の保証制度

新車保証・中古車保証でカバーされる範囲
ハリアーのバックドア異音に関しては、保証期間内であれば無償修理の対象になる場合があります。
- **新車保証(トヨタ3年/6万km)**では、可動部の異常音やダンパー不具合も初期不良と判断されれば無料修理の対象です。電動リアゲートのモーターやECU関連も、作動不良が確認されれば同様に保証内対応となりますね。
- 中古車保証の場合は、販売店や保証会社によって範囲が異なりますが、「電動リアゲートモーター」「ロックアクチュエーター」などの主要部品は保証対象に含まれることが多いです。購入時に**“異音や開閉不良も対象か”**を明確にしておくと安心でしょう。
グリスアップやゴムパーツ点検の基本サイクル
異音を防ぐには、定期的な潤滑とゴムパーツの点検が欠かせません。
- ダンパーやヒンジ部には、3〜6か月に1回を目安にシリコングリスを塗布。金属の摩耗と錆を防ぎ、動きを滑らかに保てます。
- ゴムパッキンやウェザーストリップには、専用の保護剤を塗って弾力を維持。硬化すると「ギュッ」「キュッ」という摩擦音の原因になります。
- 洗車後は、ドア周囲の水分をしっかり拭き取り、潤滑部への水残りを防ぐことも重要です。
これらを習慣化することで、異音の発生率を大きく下げられます。
保管環境と洗車後の水分対策で異音を防ぐ
意外に見落とされがちなのが保管環境による影響でしょうか。
屋外駐車や直射日光下では、ゴム類や潤滑剤の劣化が早まります。
可能であれば屋根付きの駐車場やカーポートで保管し、雨風・紫外線を避けるのが理想です。
また洗車後や雨天走行後は、リアゲート下部の水抜き穴に汚れが詰まっていないか確認しましょう。
水が溜まると錆や潤滑不良の原因になります。
乾燥後に軽くシリコンスプレーを吹いておくと、錆防止と異音予防の両方に効果的です。
まとめ:ハリアーのバックドア異音は「早期対処」と「予防習慣」で防げる
✅ 記事のポイント
- ハリアーのバックドア異音の多くは、ダンパーやロック部など可動部の摩耗や潤滑切れが原因。
- 「ギー」「ガタ」「カタカタ」など音の種類や発生タイミングで、原因をある程度特定できる。
- シリコングリスやラバーグリスを使った定期的な潤滑メンテナンスが効果的。
- 異音が続く・途中で止まる場合は、ダンパーやモーター交換が必要になるケースもある。
- 新車・中古車ともに、保証期間中なら無償修理の対象となることが多い。
- 試乗時や購入前点検では、「開閉音」「ロック音」「動作のスムーズさ」を必ず確認。
- 保管環境や洗車後の水分管理など、日常の予防習慣が再発防止のカギになる。
ハリアーのバックドア異音は、放置せず早めに手を打つことで確実に防げるトラブルです。
多くは可動部の摩耗やグリス切れが原因で、軽微な段階なら自分でも「異音を消す」メンテが可能。また、購入前から音のチェックを意識することで、後のトラブルを未然に防げます。
静粛性が魅力のハリアーだからこそ、早期対処と予防の積み重ねで長く快適な乗り心地を保ちましょう。
